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平成26年度文部科学省補助事業 大学等シーズ・ニーズ創出強化支援事業 <COIビジョン対話プログラム>
幸せで豊かな多世代共生社会を実現するつながり支援環境の構
千葉大学コミュニケーションマーク

実施報告

概 要

通期『ActVoiceSmart』フィールドテスト

詳 細

言語訓練機『ActVoiceSmart』は、昨年度の「イノベーション対話促進プログラム」より開発がスタートしました。

今年度は、実際に医療機関を通じて失語症の方々に長期間の貸出しを行い、自宅での訓練に加え、病院でのリハビリ診療の際にも使用していただきました。
そして、継続して使用していただく中で露呈した問題点を言語聴覚士の先生を通じて共有し、改善や機能の充実を試みました。

また、失語症友の会「三津浦会」の新年会に参加させていただき、『ActVoiceSmart』を使用してくださっている患者さんの声を直接聞く機会を得ることができました。
会場では『ActVoiceSmart』を囲み、家で飼っている猫の写真をきっかけにペットの話で会話を弾ませたり、歌カード機能(楽曲動画の再生)を使って歌を口ずさんだりする様子が見受けられました。また、『ActVoiceSmart』未体験の患者さんが絵カードの正誤判定機能(自分の発音が正しいかをチェックする)を使った練習で盛り上がるなど、患者同士のコミュニケーションツールとしての役割も十分果たしているように感じられました。
同時に、「○○する方法が分からない」という質問もいくつか受け、今後インターフェースや機能の改善をする必要があることも分かりました。


こうした取り組みの中、『ActVoiceSmart』が「閉じ込め症候群(※)」の患者のコミュニケーションツールとしても使用できることが発見され、通常6ヶ月以上かかるとされる「家族とのコミュニケーション」が『ActVoiceSmart』の使用により1~2ヶ月程度で達成された例があるとの報告がありました。
このことから、『ActVoiceSmart』は失語症患者のための言語訓練機に留まらず、より多くのシーンで活用されていくことが想像できます。


※閉じ込め症候群(ロックトインシンドローム)とは
  • 意識は明確であり外界を認識できるが、まばたき及び眼球運動以外の一切の運動機能が損なわれるため、コミュニケーションに重度の障害を有する。
  • ALS(筋萎縮性側索硬化症)は徐々に運動機能が損なわれていくが、閉じ込め症候群は、突然に運動機能が損なわれるため、ALSに比べてコミュニケーション方法の準備・訓練を十分行うことができない。
閉じ込め症候群患者とのコミュニケーション方法
≪例≫患者の顔の前に50音等の書かれたクリアシートを置き、患者の眼球の動き(視線)から言いたい文字を推測。文字が合っていれば、患者にまばたきをしてもらう。
50音以外にも、「大丈夫」や「休みたい」など、簡単な意思表示ができるシートも使われているが、50音や簡単な単語だけでは、コミュニケーションが取りづらいことが問題点として挙げられる。
閉じ込め症候群患者とのActVoiceSmartを用いたコミュニケーション方法
  • 依頼項目(「やって欲しい事」や「飲みたいもの」等)が 表示され、患者の目線とまばたきでカテゴリーを選ぶ。
  • 「飲みたいもの」であれば、「冷たいお茶」や「スープ」、「呼んでほしい人」であれば「〇〇医師」や「息子」等、患者の好み・状況を反映させた写真付きで表示する。