産業連携研究推進ステーション所長挨拶

研究担当理事 関 実


産業連携研究推進ステーション所長

研究担当理事

関 実

 近年、情報通信技術(ICT)の急激な進化によって、グローバルな環境において既存の産業構造や技術分野の枠にとらわれない新たな価値が生み出されるようになり、新しいビジネスや市場が生まれ、人々の働き方やライフスタイルにも変化が起こり始めています。とりわけ、IoT(Internet of Things)、AI(人工知能)、ロボット等の技術進歩を通じ、「第4次産業革命」や「Society 5.0」と呼ばれる急激な産業構造の変化が生じることが指摘されており、加速的に変化していく経済・社会環境の中、我が国が今後も持続的な成長・発展を遂げていくためには、科学技術の進展により持続的にイノベーションを創出し、我が国の産業の国際競争力を強化していくことが必要不可欠とされています。
 そのためには、既存技術の発展のみならず、大学等による優れた研究シーズの創出と産業の社会ニーズが有機的に連携し、革新的なイノベーションを創出していくことも必要であり、今まで以上に産業連携研究の重要性が高まっています。特に、大学と産業が将来あるべき社会像等のビジョンを共に探索・共有し、基礎研究から実用化に至るまで、分野等の壁を越えた様々なリソースを結集させて行う『本格的な共同研究』を実現させることが求められています。

 現在、日本の年間研究開発費は約19兆円(『我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向』平成28年6月経済産業省)と言われていますが、そのうち国・地方公共団体等による直接の負担は約2.2兆円(11.0%)であり、民間負担の約16.7兆円(88.6%)に遠く及びません。大学等に限っても、研究開発費約3.1兆円のうち国の負担額は約14.0%に過ぎません。一方、大学等の研究開発費に占める企業等からの負担割合も約2.4%(900億円)に留まっており、米国の4.6%、英国の4.1%、ドイツの14.0%等と比べて低い水準にあります。
 国の財政状況が益々厳しくなっていく中、大学が優れた研究シーズを創出しつづけるためには、産業界と連携したさらなる研究力強化も一つの解決策として期待されています。本学ではこのような社会的責務を果たすため、平成26年10月に『産学連携・知的財産機構』を、学術研究推進機構『産業連携研究推進ステーション』に改組し、産業連携研究推進担当URAの配置や企業等とのコーディネート活動の強化等により、産業連携研究推進に向けた様々な取組を実施する体制を整備しております。

 平成28年度には「地域科学技術実証拠点整備事業」の採択を受け、輸入大国日本が輸出できる数少ない元素の一つである「ヨウ素」について、国内産出シェア75%の千葉県の強みを活かし、千葉ヨウ素資源イノベーションセンター(CIRIC)を設置することとなりました。当該センターは、ヨウ素関連企業(産)・千葉大学(学)・千葉県(官)が知・人材を集約し、千葉が世界をリードする産学官連携拠点として、ヨウ素資源の活用に係る最先端科学を駆使した研究開発を推進していきます。
 また、平成23年度に開所した千葉大学サイエンスパークセンター(CSPC)や、平成24年に設置した千葉大学知識集約型共同研究拠点(KCRC)も、体制強化されたステーションの下で活発に共同研究活動を続けており、千葉大学ベンチャービジネスラボラトリー(VBL)では、ベンチャー創出に向けた研究プロジェクトの推進、ベンチャーマインド醸成のための教育プログラムの運営等に積極的に取り組んでいます。

 以上のような本学の様々な取組みが、産業連携研究の飛躍的な推進・拡大に貢献できるよう、一層の皆様のご支援・ご協力を賜ることができれば幸いです。

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